こんにちは、内視鏡室で勤務しているキャッシーです!
胃カメラって、どんな症状があれば受けるの?検査をして何がわかるの?具体的に何をしているの?検査中に必要な看護は?検査を受ける注意事項は?検査後に気をつけるべきことって何?という疑問についてお伝えしようと思います
そんな、胃カメラについて詳しく説明していきます!
お役に立てれば嬉しいです

〜このページでわかること〜
- 胃カメラを受ける対象の症状・検査目的
- 胃カメラを受けてはいけない状態
- 胃カメラ前日〜当日の流れ・検査の注意点
- 前処置について
- 胃カメラの実際
- 検査終了後の注意点
- 偶発症について
胃カメラを受ける対象の症状・検査目的
⚫️上部消化器症状
(腹痛 胸焼け ゲップがあってくる 嘔気 嘔吐 つかえ感あり もたれ感あり 腹部膨満)
⚫️上部消化器出血
⚫️ピロリ菌除菌後の定期検査
⚫️手術前全身スクリーニング検査
⚫️検診目的

ピロリ菌除菌後も、胃癌予防のため定期的に胃カメラ検査が必要です
胃カメラを受けてはいけない状態
患者の同意書が得られない場合(検査するにあたって偶発症の危険性の理解)
全身状態がきわめて不良(意識障害・重篤な呼吸疾患・重篤な循環器疾患)


内視鏡実施する利点より、偶発症の可能性がより高くなり禁忌となっています
胃カメラ前日〜当日の流れ・検査の注意点

前日
【食事・飲水・薬】
⚫️夕食は21時までにすませる
⚫️水分摂取していいです(お水・お茶)
⚫️常用している薬は、普段通り内服する
当日
【食事・飲水】
⚫️起床後、ご飯・パンなどの食事は禁食
(食事を摂ると胃内の観察十分にできず、誤嚥の危険性があるため胃カメラができません)
⚫️検査1時間前までは水分摂取してよいです(水・お茶○ ジュース・牛乳❌)
※牛乳が禁止なのは、色がついた飲み物を飲むことで、胃の粘膜に残り観察に支障が出るためです

【薬】
⚫️食事は摂取しませんが、薬は内服してよいです
⚫️糖尿病薬・糖尿病薬自己注射(インスリン注射)は使用・内服せず持参してください
⚫️低血糖の可能性があるため、糖分を含む飲みものを持参してもらう
⚫️抗凝固薬・高血小板薬は内服・休薬するかは医師の指示にしたがってください
(自己判断で休薬すると、内服治療中の疾患に影響が出てしまう可能性があります)

【洋服・装着品】
⚫️入れ歯・メガネ・時計・ネクタイ・羽織もの・貴金属類(ピアス・ネックレス・ヘアピン)・湿布・貼り薬は外してもらう
(高周波装置で処置をする可能性があり、その際の熱傷を防ぐために装着品は可能な限りはずしていきます)
⚫️着衣は腹部に余裕があるものを着てください (コルセットは外してください)
(検査中は、二酸化炭素を入れながら胃内を観察するため、お腹が膨れてきます。そのためウエストがキツイ服を着ていると苦しくなってしまいます)


疾患の早期発見や見逃しを予防するためにしっかりと検査前の注意事項は念頭に入れておきましょう
前処置について
胃内の気泡・粘膜除去薬
消泡液
・ガスコンドロップドロップ内用液(ジメチコンシロップ) /バロス消泡内液 5ml

粘膜除去剤
・プロナーゼMS 1包、炭酸水素ナトリウム1g
・水80ml
上記を混ぜ、胃カメラ検査前に内服します
※プロナーゼは胃粘液の除去に伴い、胃の潰瘍部、ポリープ等の病変より出血する恐れがあるため、出血の可能性のある患者には禁忌となっています
咽頭麻酔
経口表面麻酔剤として使用します。
胃カメラ時の嚥下反射による苦痛を和らげます
リドカイン塩酸塩(キシロカインビスカス)
ゼリー状のドロっとした液体になります
適量をシリンジに吸い、薬液を患者の口内に注入します
口に含んでもらい、3分後に可能であれば飲み込む、難しければ吐き出してもらう
※咽頭麻酔後は、唾液で誤嚥する可能性があるので吐き出すように声かけしましょう
キシロカインスプレー
噴霧式表面麻酔剤です
ビスカスで麻酔が不十分な場合にキシロカインスプレーを追加で使用します
※副作用を避けるため、できるだけ濃度の低いものを使用すること
※使用許容量200mgを超えてないように注意
含有量
リドカインビスカス2%:1ml 中で 20mg
キシロカインスプレー8%:1ml中 80mg
(添付文章より参照)

リドカイン(キシロカイン)はアレルギーに注意!使用後ショック状態になる恐れがあります
必ずアレルギーの確認をしておきましょう
胃カメラの実際
- 内視鏡室へ入室
- 本人確認 同意書で問診実施 貴金属外してもらう
- 氏名・生年月日・アレルギー・既往歴確認
- 前処置実施(気泡粘膜除去薬・咽頭麻酔)
- モニター装着
- 鎮痛剤使用にあたり、呼吸状態・循環動態異常があればすぐ対応できるように装着します
- 鎮痛剤使用のためルート確保
- 追加薬剤(鎮痛剤・鎮静剤)拮抗薬投与のために準備しておく
- 体位調節(左側臥位)
- 誤嚥予防のために左側臥位を保つ
- 右側臥位だと噴門に近いところに沿って流動食たまるため食道への逆流起こりやすい
- マウスピース装着
- 患者の歯を守るため、ファイバースコープを噛んで破損から守るために装着します
- テープやバンドによって固定します
- 鎮静剤を血管より注入
- 静脈注射後数秒〜数分で入眠します
- 緊張すると薬が効きにくい患者もいるので、肩の力を抜き、深呼吸を促します
- ファイバースコープ挿入
- 食道入口部の挿入時が一番反射が強く現れるため、注意深く観察し、体位保持や鎮痛剤追加投与をすぐ対応できるよう備えておく
- 胃観察
- 咽頭・食道・胃・十二指腸を観察
- 検査進捗状態や唾液を吐き出すよう声掛けをしていきましょう
- 十二指腸観察時に突っ張った感じがして、体動が出現する可能性があります「奥の方に進むので力を抜きましょう」と声掛けをするといいでしょう
- 胃カメラ終了 ファイバースコープ抜去
- 検査終了を伝え、マウスピースを外す
- ティッシュを渡し口内の唾液を出してもらう
- ねぎらい言葉をかける
- 拮抗薬投与
- 鎮静剤による効果の拮抗する薬を投与します
- リカバリー室へ移動
- 鎮痛剤の影響のため30分〜1時間程度休憩する
- 検査後・退出時にバイタル測定チェック帰宅できる状態か確認する
- 帰宅
- 覚醒を確認する
- 注意事項伝える

患者は緊張しながら、内視鏡検査をします
少しでも緊張を和らげるために、深呼吸を促したり・タイミングをみて声掛けやタッチングし不安を除去していきましょう!!!
検査終了後の注意点
誤嚥予防
咽頭麻酔の効果は1時間持続するため、食事摂取・水分摂取は1時間後むせないこと確認が必要

使用した薬による注意事項
・鎮静剤を使用したため、1時間休憩した後に帰宅になること、転倒には注意してもらう
※高齢者の場合は、家族と一緒に病院に来てもらう
・鎮静剤を使用しているため、体から薬が排出されるのに24時間かかるため、本日の車の運転や大事な仕事はしないように伝える
・鎮痙薬(ブスコパン・グルカゴン)を使用した場合は、目がチカチカすることや喉が渇くや尿が出にくいなどの症状が出る可能性があることまた、症状はしばらくすると良くなることを伝える
実施した処置に対する注意
生検検査をおこなった場合
生検検査とは・・・・胃粘膜を生検鉗子という器具を使い、つまんでくる検査のことです
出血予防のため、激しい運動や、刺激物やアルコールや揚げ物などの油物を摂取は避けてもらうように声掛けする

偶発症について
全処置による偶発症
- 薬物副副作用
- リドカイン塩酸塩によるショック症状(アナフィラキシーショック)や過量投与による中毒症状
- 鎮静薬の副作用
- 呼吸器症状:酸素投与、場合によっては検査終了し、拮抗薬投与
- 循環動態の変動:昇圧剤の使用
検査自体の偶発症
- 胃・食道損傷 穿孔 裂創
- →入院し、絶飲食・投薬による保存療法が必要になる
- 出血
- 偶発症の中では最も多い
- マロリーワイス症候群:(嘔吐反射により、腹腔内圧・食道内圧上昇し食道下端の粘膜が切れて出血してしまう病態)
- 生検検査による出血
- →洗浄やトロンビン散布(止血剤)クリッピングにて止血をおこないます

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