こんにちは、キャッシーです
今回は、内視鏡検査でよく出てくる「生検」についてお話ししていこうと思います!
「生検はなんのためにすの?」「何がわかるの?」「その後の治療にどう影響するの?」などの疑問答えていきます!
内視鏡についてより理解を深めていける手助けができたら、嬉しいです
生検とは?
「生検検査」「病理組織検査」「バイオプシー」いろいろな言葉で表現されます
粘膜で、病変を疑うところを一部採取して顕微鏡で調べる検査のことです
英語でbiopsy:バイオプシは生検のことです
生検1ヶ所で「Bx1」と記しています
生検2ヶ所だと「B×2」と記しています
生検でわかること
生検検査で、採取した組織を顕微鏡で判断します
病変が悪性・良性かが判断できます
生検を実施する上で、注意が必要な患者
生検をおこなうと、粘膜を一部採取するので出血します
抗血栓薬を2剤内服していたり、出血傾向(肝硬変・血小板値が低いなど)の患者には注意しておこなうことが必要です
偶発症
生検の偶発症は「出血」です
粘膜を一部切除するので、必ず出血はします
特に問題がなければ自然に止血します
出血傾向が強い場合は、止血に時間がかかったり、止血処置(トロンビン・クリッピング)をおこないます
必ず、止血をファイバースコープで確認し検査を終えるようにしましょう
患者には、止血確認後しても再度出血してしまう可能性があることを説明します
黒色便が続く、腹痛が出てきた、ふらつくなど貧血症状があるばすぐ受診するよう説明します
生検検査介助方法
使用する物品
- 生検鉗子
- ホルマリン容器(瓶の中に固定水が入っている 固定水は10倍希釈のホルマリン液)
- 濾紙
- ピンセット
- ラベル
「名前」「採取した日付」「採取した検査名(胃カメラ・大腸カメラ)」「採取した順番」を記入しホルマリン瓶に貼ります - 病理依頼伝票
介助の実際
生検検査は、2名スタッフが必要です(生検鉗子を操作する人・検体を受け取る人)
- 生検鉗子を使用し粘膜の一部を採取します
- 【介助手順】
- ファイバースコープで胃や大腸を観察し、医師から生検の指示があります
- 介助者が、生検鉗子を持ちカップ先端閉じたままを医師に渡し鉗子口から生検鉗子を入れます
- 内視鏡画面を見ながら、医師の合図で鉗子のカップ先端を開く操作し粘膜を切除します
- 生検鉗子をファイバースコープの鉗子口から回収します
(回収時は、ガーゼで鉗子口を押さえながら引き抜くと患者の衣服が汚れません)
- 【介助手順】
- 介助者は、検体回収スタッフ側に体を向け生検鉗子先端を広げて検体を回収してもらいます
回収方法は、ピンセットに濾紙を挟み生検鉗子に濾紙を噛ませ検体を付着させて濾紙ごとホルマリン瓶へ入れます - 乾燥しないように、検体採取後はホリマリン瓶に入れて固定します
- すぐにホルマリン瓶へ入れられない場合は、組織を乾燥させないように生理食塩液で湿らせたガーゼで覆っておきます
- ホルマリン瓶へ検体を入れたら、ホルマリン瓶にラベルを貼ります
- 検体がホルマリン瓶に入っていることを再度確認する
検体紛失のリスク回避 - 医師が記載した病理依頼伝票と採取した検体の個数と採取部位が間違いがないことを確認する
検体の取り扱いには十分に注意をしていきましょう
病理検体の取り扱い
採取した検体は、腐敗処理や乾燥する前にホリマリン瓶に入れ固定します
生検鉗子内の組織が紛失しないように丁重に取り扱います
採取部位と採取した順番を間違えないようにします
生検鉗子の中に検体が入っているので、飛んで行かないようにピンセットで濾紙をつかみ検体を受けとります
採取した順番が大切になるので、順番(例:1、2、3)をホルマリン瓶の蓋に記入していきます
順番が違うと、採取した部位と病理伝票が違うので、手術時の切除部位が変わってしまう重大なミスが起きてしまうので、十分に確認しながら検体を扱いましょう
患者間違い・検体紛失が起きやすいので声を出して医師・検査介助者と確認しながら慎重に検体を扱います
患者間違いを防ぐために、ラベルに必要事項を記入してホルマリン瓶へ貼ります
ラベルには、「名前」「採取した日付」「採取した検査名(胃カメラ・大腸カメラ)」「採取した順番」を記載しています
例:○月○日 キャッシー 胃カメラ① と記載しています
2つ目の検体の場合 胃カメラ② と記載します
胃カメラと大腸カメラを同日でおこなう時に、ホルマリン瓶は検査ごとに分けています
一目でわかるように、ホルマリン瓶の蓋にシールを貼り区別しています
胃カメラには、オレンジのシールを大腸カメラには、黄色のシールを蓋にのように貼って分けています
原則ホリマリン1瓶に1検体を入れていきます
(分割切除や医師の指示があれば同一瓶へ入れていきます)
患者ごと・検査ごとにホルマリン瓶を分けて検体を入れていきます
まとめ
生検検査についてお話ししました
生検は、良性なのか悪性なのかがわかる検査になり診断に役立ち治療方針が決まる大切な検査です
出血などのリスクがありますが、止血できたことを確認して検査を終えることが大切です
しかし再出血が起こる可能性があるため、貧血症状(めまい・ふらつき等)出現した場合には受診を勧めることが大切です
生検介助や検体回収時の操作も、気を抜くことなくおこない検体紛失や採取部位間違えがないようにしていきましょう
医師・処置介助者・検体介助につくスタッフみんなで声を掛け合いながら確認することが大切です
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