こんにちは、キャッシーです!
「この下剤の違いはなんだろう?」「注意事項・観察項目はなんだろう?」「内服方法の違いがわからない」などの疑問があると思います
今回は、下部消化管内視鏡検査の前処置である下剤について
「種類」・「違い」・「観察項目について説明していこうと思います!
下剤の種類
前日下剤
ピコスルファートナトリウム(液体)
「大腸刺激性下剤」です
腸の蠕動運動を亢進させて排便を促すとともに、大腸での水分吸収を抑制することで便を柔らかくして排便を促進します
刺激性薬剤のなかでは,比較的緩徐に作用します
匂いはなく、味は甘いです
内服後、7〜12時間で作用出現します
飲み水に全量(10ml)入れ内服します
センノシド(錠剤)
「大腸刺激性下剤」です
大腸の粘膜を直接刺激もしくは腸管壁の神経を刺激することによって蠕動運動を亢進し、排便を促します
内服後、8〜10時間で作用出現します
2錠を内服します
マグコロールP(粉末)
「浸透圧性下剤」です
腸管内への水分移行作用,腸管内の水分吸収抑制作用により,排便を促進すます
粉末を飲み水に溶かし180mlにします
検査予定時間の10~15時間前に経口投与する。
当日下剤
モビプレップ
必要な内服量:1.5L〜2L 内服上限:2L
内服速度は、1時間1L程度 速度を早めすぎると嘔吐や穿孔する可能性があります
酸っぱく、濃い味の梅ジュース 飲みにくいと言われている
内服量が少なく、腸内洗浄が早い
ニフレックと同じ成分を濃い濃度で配合している(PEG4000)
脱水になりやすい
検査開始前の3時間前より内服開始してください
溶解後速やかに使用することが望ましいが、やむを得ずすぐに使用できない場合には、冷蔵庫内に保存し、48時間以内に使用しましょう
➡️比較的冷やすと飲みやすくなります
前処置はモビプレップが主流になってきました
前回、モビプレップで嘔吐してしまった方には、ニフレックをすめています
ニフレック
必要な内服量:2L 内服上限:4 L
1L内服したところで排便が生じます
飲み方がシンプルです
内服速度は、1時間1L程度 速度を早めすぎると嘔吐や穿孔する可能性があります
スポーツドリンクのような味です レモン風味と言われています
比較的飲みや水です
腸内洗浄力はモビプレップよりは劣ります
検査開始予定時間の約4時間前から投与を開始します
血中の電解質にバランスを崩さないため、透析患者様に内服をすすめています
溶解後速やかに使用することが望ましいが、やむを得ずすぐに使用できない場合には、冷蔵庫内に保存し、48時間以内に使用しましょう
➡️比較的冷やすと飲みやすくなります
ニフレックは、モビプレップ発売前によく内服されていました
内服のしやすさや、電解質の影響を受けにくいため
高齢・透析患者にすすめています
マグコロールP
内服量は 1800m l 内服上限:2400ml
スポーツドリンクのような味 比較的飲みやすい
腎不全患者投与禁止
吸収されたマグネシウムの排泄が遅延し、血清マグネシウム濃度が上昇するおそれがあります。また、多量の水分摂取は腎機能に負荷となり、症状を増悪するおそれがあるためです
検査査予定時間の4時間以上前から開始します
下剤内服時の偶発症
- 腸管内圧上昇による腸管穿孔を起こすことがあります
- 排便、腹痛等の状況を確認しながら、慎重に投与します
- 腹痛等の消化器症状があらわれた場合は投与を中断します
腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、投与継続の可否について慎重に検討します - 腸閉塞を疑う患者には問診、触診、直腸診、画像検査等により腸閉塞でないことを確認した後に投与する必要があります
- 腸管狭窄、高度な便秘、腸管憩室のある患者では注意すること
- ショック、アナフィラキシー等を起こすことがあります
自宅で内服する際には、ショック・アナフィラキシーの症状を伝え内服中断し病院にきてもうらうように説明します
まとめ
下剤についてまとめてみました!
モビプレップ | ニフレック | マグコロール | |
---|---|---|---|
特徴 | 飲みづらいが、洗浄力強い | 飲み方簡単、内服量多い | 飲みやすいが、洗浄力弱い 頑固な便秘には向いていない |
必要内服量 | 1.5〜2.0ℓ | 2ℓ | 1.8ℓ |
内服できる上限 | 2ℓ | 4ℓ | 2.4ℓ |
腸管内容物洗浄力 | ◎ | ○ | △ |
飲みやすさ | △ | ○ | ◎ |
注意事項 | 脱水になりやすい | 腎機能が悪いと内服禁忌 |
大腸カメラは下剤を内服することが大変です
味や量も多いですが、ある程度の時間で内服しないと薬効が薄れてしまいます
早めに内服してしますと、嘔吐し電解質以上をきたす可能性があります
開腹歴があると癒着していたり、大腸がん疑いの検査だと穿孔リスクが高くなるためよう観察が必要です
患者に下剤内服方法や禁忌を理解し、偶発症のリスクを考えつつ下剤内服してもらいましょう
安全に検査を受けられるよう内視鏡看護師として日々看護力を上げていきましょう‼️‼️
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